のこ婆さんのイラスト談義〜。ゎ‹ゎ‹(๑ ᷇ 𖥦 ᷆๑)♡ゎ‹ゎ‹💕

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F6    アクリル

 

シャム、僕は野良猫になった。

 

 

シャム、僕は野良猫になった。
暖かい日でさ
飼い主の兄ちゃんの所へさ
知らない女の人が遊びに来てさ
僕を見て言ったんだ。「わぁ、猫が居るの!聞いてないわよ!」ってドアーのところで突っ立っててさ。でも挨拶に行こうと近づいて行ったらさ、「来ないで!来ないで!私帰るから!」ってすっ飛んで出て行った。僕嫌われたんだな。と思ったさ、僕だって馬鹿じゃない。
兄ちゃんはそれからずっと何も言わない。何か考えててさ、夜になってご飯くれてさ、変な空気のまま朝になったんさ。
「おいでココ、遊びに行こう。」って抱っこしてくれた。怒ってなかったんだね。あ〜良かった。
でもいつものように散歩の紐は付けない。そのまま僕を車に乗せたんさ。
ドライブか〜。嬉しいな。と思ってた。何処を走ってるんか知らない。でも兄ちゃんとドライブは嬉しい。知らない街を車が走ってさ。やっと止まったら兄ちゃん車のドアーを開けてくれた。外へ出ていいの?遊んでいいの?僕は嬉しくなって飛び出した。木の匂い草の匂い嬉しいな。その時車のドアーがバタン!と閉まって、あれ?と思ったら車走り出した。僕は慌てたんさ。兄ちゃん待って、僕乗ってないよ!追っかけた、追っかけた。止まらない車とうとう見えなくなった。
それなら少しここで待とう。兄ちゃんが迎えに戻るからここにいよう。僕は人に見つからないように木の後ろで待つことにしたんだ。だけど夜になっても兄ちゃんの車は戻って来なかったんさ。暗い公園の中心細くなった。でもここを動いちゃ行けないな。僕を見つけること出来ないもの。そう思ってじっと待ったんさ。とうとう朝になった。お腹空いた。いつもなら兄ちゃん水とご飯くれる時間。やっと分かった。僕は置いていかれた。もう兄ちゃんは戻って来ない…。それならここにいても誰もご飯をくれない。とぼとぼ歩いた。右見ても左を見ても知らない所。いっぱい車に乗ったから家は遠い。とても帰れない。このまま僕は野良猫になるしかないのかな。何でだろ、あんなに仲良くしてたのに僕を置いて行くなんて。悲しくなった。お兄ちゃんの顔が浮かぶ。暖かいお腹の上に乗りたい。涙がでてきた。
しばらく行くとココは野良猫にご飯を上げてる人がいるのに気がついた。怖い猫たちがいる。でも行ってみよう。そう思って近づくと大きなボス猫が怒って追いかけて来た。僕は逃げた。ダメだご飯は貰えないんだな。暫く歩いていくと置いて行かれた公園のところに帰ってきた。僕は怖くて動けなくなってしまった。ぐうぐうお腹が鳴っている。食べ物は無い。なら何か探そう。あ、鳥がいる。そっと行けば捕まえられるかな。そうっとそうっと近づいた。あ、逃げた!諦めて木の裏で静かにしてる事にした。眠ったんだな。また夜になった。足音が聞こえる。兄ちゃんかな?と思って木の影からのぞいてみると、すごく怖そうな男の人が立って見ている。でもご飯くれるかも知れない。そう思って近づいてみた。そしたらその人棒を拾って追いかけてきた。な、何?!
僕は逃げたでもその棒でお腹を殴られた。痛い!もっと逃げた。
追いかけては来ない。そうか、誰でも近づいたら怖いんだ。そう思った。だからそれからは人を見たら隠れることにしたんだ。もう何日経ったんだろ。食べなきゃ僕は死んじゃう。木の影から明るくなった公園を見てたんさ、歩いてる人が来る!怖い!女の人だ。近づて来る。隠れよう!
あ、居なくなった。あれ、懐かしい香りがするぞ。そっと見てみた。そしたら枯れ枝の中にカリカリが山のように積んであるのが見えた。食べて良いのかな、恐る恐る近づいてみる。カリカリだ!で、でも毒が入ってるのかも。その時お腹が鳴って、もう我慢できない、食べてみよう!美味しい。夢中で平らげた。久しぶりのご飯だ。お腹いっぱいになった。
眠くなって木の影で寝る事にした。あの人は誰だろ?なんでカリカリ置いて行ったんだろ?もしかして馴らして捕まえる気か?僕は騙されないぞ。でも明日の朝も来るかな〜。
そんなこと思って眠りについた。
起きたらは少し元気になってて公園から出て少し周りを歩いた。昼間は公園に人が来る。いつか見つかってまた虐められるかもしれない。安全な所を探して見よう。そう思ったんさ。そしたら空き家が見えた。庭には草ぼうぼう。家の後ろに回って見たらそこはいい隠れ場所になりそうだ。表からも裏からも見えない。此処にいよう。安全確保だ。のんびり身体を舐めた。随分と汚れていた。夜中に公園に戻った。もしかしたら明日の朝またあの人来るかな。そう思って木の影で寝て待つ事にした。何故って今それしか命を保つ事が出来る事が無いからだ。来なかったら今度は狩りをしよう。そう心に決めたんさ。
見えるように木の影から顔を出すことにした。しばらくすると遠くからあの人が歩いてくるのが見えた。体が固くなる。近寄ら無いで怖いから。そう思った。わかったように近寄らない。でもまたカリカリを置いて帰って行った。それが毎日続いてさ、僕この人なら気を許しても良いのかもと思うんさ。でも怖さが勝ってしまう。僕は隠れ家にいて夜中に公園に行く、そんな情けない日々を送っている。
ある日ご飯を置いてるその人を見ていてとても甘えたくなった。兄ちゃんの暖かい手を思い出したから。
あ、帰っていく!我慢できず後をついて行った。でも怖くて途中で止まってしまった。あの人が振り返る。ニコニコしている。
僕はココって言うんだよ、毎日ご飯ありがと!必死に心で叫んだ。ありがと!僕はおかげで生きている。もっと追いかけたい。でもだんだん遠くなって見えなくなった。また明日ね。と心の中で言った。 でもやっぱりお兄ちゃんに会いたい!お兄ちゃん今でも大好きだよ。絶対忘れないよ!

ココは此処に居るよ。待ってるからお願い、迎えに来て!
それまでおばちゃんのご飯でココは生きてるから…。

 

                                 2024.2.12